司書の窓


年報に寄せられた司書さんの感想を掲載します。満開佐倉文庫との出会いや、文庫に期待することなどが綴られています。
                                    【2007年5月5日 新設】【2007年6月2日 更新】

〔年報 平成18年(2006年)版〕

 採否に嬉々  節の介

 H19年2月にY3として初めて情報を提供して採用されて以来、数 回の情報提供を経て、司書へのお誘いを受け、仲間に入れて戴くようお 願いしました。まだ3カ月程しか活動していませんが、司書活動の感想 を述べさせて頂きます。
 以前から、なにげなく閲覧していた本文庫でしたが、今年から少し佐 倉学に興味を持とうと意識し始めたので、過去の掲載記事を読み進める と、自分でも何か情報提供が出来るようだし、敷居も高くなく、館主さ んとの交信が出来るようになればいいなあという思いが高まり、初めて 情報提供をし、採用された時は嬉しかったです。
 以来、調子に乗って提供を重ねました。不採用になった情報も何件か ありますが、その際の館主さんの判断とその明解な解説連絡を戴くこと の方が採用と同じくらい嬉しいですね。そこで、本稿の題名を「一喜一 憂」としないで「嬉々」とした次第です。
 今後も、情報提供を続け、嬉々を重ねたいと思っています。



 新たな読書の仕方    えりっぷ

 私の本好きはかなりな年季物だと思っている。学生時代のミステリー物から理数系の本、ドラマから興味をもっての歴史物。学校が神保町にあったため、 時間があると古書店を覗いていた。硬い本ばかりでなく、まんが本も数多く読み、所有している。 本に囲まれているのが幸せな自分である。
しかし、近年はベストセラーといわれる本を読まされてきたような気がしていた。 昨年このホームページにであい、新たな読書の仕方を教えていただいた。自分の住む佐倉で、興味をもったこと疑問をいだいたことを、自分なりに資料を模索しながら、探しています。




〔年報 平成17年(2005年)版〕

 わが町佐倉          ギムリ

 思いもかけず司書として認定され、でも情報の中身が、仲間の出した本やCDの情報だったので、引け目を感じていました。村上元三の『河童将軍』を見つけることができて、やっと一人前の司書になった気分です。
 元々、読書傾向が児童文学(しかも翻訳物!)なので、普段の読書の中で「佐倉」に出会うことはまず不可能なのです。でも、佐倉や印旛沼にまつわる民話を調べる必要があって、「佐倉」に接する機会が増えました。
 ネットで検索するとすぐにこのページにたどり着きます。七代目団十郎について調べた時には駕篭かきさんのホームページにも御世話になりました。
 私は小学校の時に佐倉に越して来て、それからずっと佐倉に住んでいます。高校の時には長島監督や司馬遼太郎氏が学校を訪問。小出監督は体育の先生で「マラソン小出」と呼ばれていました。
 そんな昔の事をこのホームページに出合って思い出し、「わが町佐倉」に愛着がわいてきました。
 そして「わが町佐倉」を思うときに、いつも気にかけるのは「未来の市民」(つまり子ども)の事です。多くの「未来の市民」が故郷で幸せな子ども時代を過ごせる様に願ってやみません。



 「佐倉本」に惹かれて           駕篭舁

 満開佐倉文庫のことを知ったのは昨年春頃だったと思います。ネットを遊泳していて満開佐倉文庫に出会い、その中の「佐倉本」という造語に興味を惹かれました。
 「佐倉本」って何だろうと開いてみたら佐倉についてのあらゆる本の数々が・・・これほど佐倉のことにこだわったホームページがあるとは正直新鮮な驚きでした。
 近くオフ会が開かれるという案内に手繰り寄せられて参加し、それ以来お仲間に加わって今は司書というたいへん心地よいネーミングを使わせて貰っています。本物の司書は勤まる筈もありませんが、ここではマイペースで好きな本を読み、その中で佐倉に関する記事に出会えれば良いという見つける楽しみが新たに加わったのがとても良いのです。
 満開佐倉文庫はまだまだ発展途上にあるようで、館主さんの頭の中は次々アイデアが閃いておられますが、どこにも見当たらないユニークで斬新な、いわば佐倉に関する総合百科事典として、今後いっそう充実した満開佐倉文庫に発展していくことを期待しています。
 小生も司書の一員としてまた佐倉市民として、これからも楽しみながら、より佐倉にこだわっていきたいと思います。



 満開佐倉文庫 〜佐倉と京都〜     なっちゃん

 誰もが一度は京都に憧れたことがあるのではないでしょうか。私も数年前からなぜか京都に心ひかれ、「京都」と名のつく本や雑誌をあれこれと読んでいたところ、この本に出会いました。『京町家の四季』 杉本節子 著 
 「京都に本店を構え、千葉佐原・佐倉に支店を持つという他国店持商で、当主は年に二度当地へ赴くだけであったため、支店の監督、店員の訓練には大変な注意を払うことが重要であった。」という一文があります。
 著者の生家である杉本家は、寛保三年(1743)「奈良屋」の屋号で呉服商を創業。京呉服を仕入れ関東地方で販売する、いわゆる他国店持商として繁栄した店の本店で、三代目が佐倉に店舗を構えていたそうです。
 呉服商「奈良屋」があった場所は、市立美術館の辺りで、千葉市の旧セントラルプラザが奈良屋デパートと呼ばれていたことを、館主から教えていただきました。また、まき書房の包装に使われている『千葉県佐倉町俯瞰』に「奈良屋呉服店」を見つけました。
 佐倉と憧れの京都がつながっているという発見、そして佐倉本を見つけた喜び、満開佐倉文庫の司書であることの醍醐味は私にとってはまさにここにあります。自分が手にした本の一文から思いがけず佐倉が浮かび上がる、自分が知らなかった佐倉と出会うことができるのです。
 美術館の前を歩く時、この通りに「奈良屋呉服店」があったことを想像して、京都の面影を探してみたりします。本を読み終わっても楽しめる「満開佐倉文庫」、私にはとても貴重な場です。



 きっかけは〜佐倉本!         飛鳥

 『佐倉』と『佐倉に関わる人』が登場する本の多さに驚かされます。私は、幕末の時代が好きなので、新選組の本を開けば、松本良順は必ず登場します。最近は、依田学海も注目され始めています。
 幕末の時代に『佐倉に関わる人』として、本に登場する回数においても松本良順はトップスターだと思うのです。ですが、佐倉順天堂の創始者、佐藤泰然の実の息子である事はあまり知られていないのがとても残念・・・どうしたら、知ってもらえるのでしょうか。
 佐倉順天堂に関連本を置いてみたらどうでしょう?『本の中の佐倉順天堂と順天堂に関わる人コーナー』として、期間限定の企画展として、本を手に取れるように置いたら、順天堂を訪れた人は、興味を持って見ていただけるのではないでしょうか。
 順天堂に限らず、場所を違えて『佐倉のまち特集』や『印旛沼特集』など出来そうですね。佐倉の魅力を多くの人に知ってもらう為にも、『佐倉本』は活躍して欲しいと思っています。



〔年報 平成16年(2004年)版〕

 小さな発見              八谷衣人

   読書の際、頭の片隅に常に「佐倉」というキーワードを置いておいてみると、いろいろな発見があるものですね。  私が読むのはだいたい歴史の本で、いままでだったら少し意外な箇所で「佐倉」という言葉に出会っても、一人で「へ〜」と思うだけでおしまいでしたが、そんな小さな発見をした喜びを共有してくれる方がいるというのは、何とも愉快なものでした。
 そんな小さな発見も、積み重ねていけば、いずれは佐倉の歴史を塗り替えるほどの情報量になる……のかなぁ。
 ちなみに2004年は、周知の通り市制50周年の記念の年でしたが、ほかにも香取秀真没後50年(1954年)、浜野昇生誕150年(1854年)、佐藤泰然生誕200年(1804年)の記念の年でした。



  佐倉本はまだ沢山ある          ホームタウン佐倉

 佐倉本という分野があることを知ったのは、館主さんとお付合い願うようになってからなので、まだ数年です。以来、私自身も気に掛けて本を読むようになり、いくつかの新発見もしました。読書中に「佐倉」という文字をみると、再読であつても新鮮な気持ちになります。
 しかし、佐倉本は実は、私の知る範囲でも、もっと沢山あります。なぜ報告しないのか、とお叱りを受けそうですが、一例を挙げれば、小説では「佐倉屋」という屋号。由緒不明ですが、平岩弓枝の時代小説にあります。
 地名辞典や地理の本、郷土史関係には「佐倉」は多数収録されています。雑誌では、鉄道趣味関係の鹿島川や長熊付近で撮影した写真には、必ず「物井ー佐倉間」「佐倉ー酒々井間」などのデータが記録されています(最近、掲載数が多い)。
 これらを佐倉本に含めれば、非常に多くの冊数になるので、余計なお世話ですが、館主さんのご自宅でも蔵書は大変になることでしょう。
 インターネット上での蔵書ならいくらあっても大丈夫でしょうが、「満開佐倉文庫」に登録されている何倍にもなるでしょうね。考えてみると佐倉本の範囲は無限といえます。



  地域文庫創設の夢        K

 『満開佐倉文庫』という本を見つけたのがきっかけで、館主さんとお知り合いになれました。今まで漫然と読んでいた本が、「佐倉」あるいは「佐倉にゆかりの人」というキーワードを探すという楽しみの対象に変わりました。いかにも出て来そうな本を読む、という方法もあります。
 幕末明治の歴史には疎かった私ですが、一冊見つけることができました。誰か先に報告していないかしら、と気を揉みました。もっと早く知っていれば、すでに読んだ本の中にもいくつかあったろうなと悔やまれます。と同時に、こうした新しい本の楽しみ方は他の地域にも広げることが出来るのではないかと思いました。
 こうした話を館主さんと話していた時、館主さんの佐倉を思う心、またこれを一つの読書運動に広げていこうという熱い思いが伝わってきました。
 私は今印西市に住み、佐倉市内に職場を得ているので佐倉市の歴史や文学にも興味を持っていますが、同時に印西市についても興味があります。同じような企画をホームページ上に作りたいと思っておりますが、なかなか実現できません。
 図書館に行くと、多くの人がいろいろ研究されていて、それをどう取り上げていくかも難しい問題です。
 また、オフ会にも出席させていただき、いろいろ刺激を受けることが出来ました。これからもいろいろ教えていただくことがたくさんあります。よろしくお願い申し上げます。



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